免疫力を高める生き方食べ方暮らし方 (続)

書籍紹介 免疫力を高める生き方食べ方暮らし方
●治すためには薬を絶つしかない
 このように根本的に治さない治療は、すべて治る機会を失うことになります。抗ヒスタミン剤は、抗原を外に出す反応をやめさせるわけですから、薬が切れた時にはまたアレルギーが出ます。もっと抑制作用が強いのが、ステロイドです。
 ステロイドはコレステロール骨格ですから、身体に入った時排泄するのが困難です。そこで何が起こるかというと、皮膚に沈着して過酸化皮質になります。すると今度は、老廃物といういやなものを体内に抱え込むことになります。
 たとえ初めは、ハウスダストが排泄するべきものだったのに、今度は塗った変性コレステロールが排泄物に加わるわけですから、半年後、1年後に確実に悪化していくわけです。そしてステロイドの量を増やさなければ症状を抑えきれないようになり、さらに症状が広がるようになります。

 そこからどうやって脱却したらいいのでしょうか。
 それはやはり、ステロイドを絶つしかないのです。
すると、いままで抑えられていたアレルギー反応が爆発的に出ます。全身に発疹が出て、まぶたが腫れて目が開けられないとか、オシッコがほとんど出ないというような激しいリバウンドがきます。
 ですから、あまり酷いようでしたら、またステロイドを塗って症状を和らげ、そしてまた絶つというようにしていきます。そして結局は、ステロイドなどの薬から離脱しないと治らないのです。とくに薬を使ってから5年、10年と経つと離脱することはずごく大変です。そういう場合には、周りに励ます人がついていないと非常に難しくなります。ですからなるべく早く離脱する必要があります。

 このように見ていきますと、アレルギーの炎症もステロイドをやめた時の炎症も、異物を外に出すための反応として起こっていることが分かります。単に病気の悪化としてとらえられません。

1 現代医学の弱点
●慢性疾患の解明・治療には進歩が見られない
 現代医学の進歩で著しいのは、急性感染症に対する予防としてのワクチン使用がある。麻酔法や外科手術の進歩もある。また、抗生物質を使った予防や治療の面であろう。さらに、病気の診断技術も凄い進歩である。とくに診断法では、化学検査、X線診断、内視鏡、CTやMRIなど目覚ましいものがある。
 しかし、全く無力な分野もある。慢性疾患の発症原因の解明とその治療法の開発に関して全く進歩が見られない。むしろ、強力すぎる対症療法を行って治る病気を治さなくしているという方向に進んでいる。
 今、現代医学の研究の中心は、分子、遺伝子、遺伝子操作に移っていて、遺伝子診断や遺伝子治療という言葉を頻回に耳にする。しかし、この流れで病気の謎が解けることはないであろう。


13 医療の未来
●医療費はなぜ拡大しているのか
 いま日本では、毎年医者の数(医師数25万7000人、04年)が増加している。(1年に約7500人が医師免許取得)。医学部卒業者の数が、すでに医者になっていて死亡する人の数よりも多く設定されているので、この傾向は当分続くことであろう。医者の年収は最低クラスでも1000万円以上であるから、これからも医療費は増大してゆくことであろう。
 多くの人は、日本の医療費の伸びは最近の老人層の拡大によって起っていると考えていると思うが、別の流れで起こっていると思ったほうがとよい。
 それは
① 医療が資本主義の流れの産業の拡大路線の中に組み込まれているので、産業として発展し続けるためには医療費が拡大しないと活気が生まれないということである。
 次の②は、医者の数に合わせて医療費を拡大しないと一人ひとりの取り分が十分に確保されないということであろう。実際、医療費の増加曲線と医師数の増加曲線がよく合致している。

①と②の理由によって医療費が拡大を続けた時のみ、医療の政界は活気づくように出来ている。

●医療側の工夫
 小泉内閣があまり医療費が増大しない様に、薬価を下げたり、医療費の自己負担分を上げたりしているが、医療側も工夫を凝らしてこの流れに抵抗している。
 第一は検査料の高額化であろう。
 薬で医療費を受け取れない分のマイナス面を検査費で置き換える努力が進んでいる。数億円、十数億円の診断用機械の開発が進んでいる。患者側も立派な機械で診断されると精密度が上がるということで共に満足している。本当のところはいくら精密に調べても、その後は対症療法が待っているもで病気の治療にはプラスにはならない。
 医療側の第二の努力は、患者数を底上げする努力である。
 血圧の正常値を下げる(例えば、収縮期血圧を150mmHgさらには130mmHg)と病人は増えて医療が活性化する。同じことは血中コレステロール正常値の引き下げにも表れている。
 ごく最近では、メタボリック症候群という病気の創設である。仕事のし過ぎ、ストレス解消としての食べ過ぎ、運動不足という生き方の偏りも、しっかりとした病名の付いた病気になったので、多くの人が病院へ足が向き、医療は活性化へ進むことになる。


●医療の流れを変えなければならない
 医療費の全体の設定される仕組みを知らないと、病気が新しく作られ、多くの検査が生まれ、対症療法を受ける病人が増加し続けるという謎にたどり着くことができない。
 この仕組みを知らない善良でまじめな人たちがたゆまずこの流れに入っていると思う。とくに、田舎に住む老人たちがたゆまずこの流れに入っていると思う。
 新しい病気を作ると医療は活性化し、医師は忙しさを維持できるが、これでは無駄な領域に、大切な医師をつぎ込むということなので、本当に必要な領域に医師がまわらなくなる。救急医療、小児医療、産科医療などが手薄になって国民は不安に駆られることになるであろう。このような流れを断つためにも、医療の未来を正しい方向に向ける必要がある。

14 医療の未熟さと国家の未熟さ
● みんなと同じ・事なかれ主義では何も変わらない
 その国のうちの一つの分野だけが未熟であるということはあり得ない様に思う。丁度、仕事で無理を続けている人が、食事だけはバランスの良いものを摂っているということはないように。
 医療だけでなく、教育、政治、経済、外交なども連動して流れている。国家自体の未熟さと言ってもよいであろう。
 今の日本は、若者による犯罪が頻発している。幼児殺し、親殺し、仲間同士の殺し合い、などである。その前には、学童の学級崩壊などがある。これらの原因を考えてみよう。
 子どもたちは甘い物を好きなだけ口にし、外遊びする機会が少ない。また、兄弟が少ないので過保護になりやすい。未成熟な親に育てられて躾ができないなど、危険な状態で育つ機会が増加している。
 すると、若者になった時、自分をコントロールしたり、相手を思いやるというような基本的な生き方のルールが完成していないことが多くなる。
 一方、教育現場では教師たちが長いこと太平洋戦争の敗戦コンプレックスに陥っていたので、自信を持って自国の歴史や文化を生徒に教える事が出来ないという時代が戦後長く続いた。
 このため、今教師になっている若者も同じように日本に対しての誇りを伝える事も出来ずに、目の前の教科の勉強を教えるという、勉強を教えるだけの技術者になってしまっているように思う。
 このような流れは、政治や経済のような社会機構にまで浸透しているし、さらに医療や医学の世界にも浸透している。
 なぜなら、自信が持てないので、いかに皆と同じように生きるか、仕事をするか、という流れで時間が流れているからである。めぐみさんたちの拉致の問題でも、北朝鮮に対して何も強い行動を起こせない事なかれ主義で政治が動いている。道路公団改革でも郵政民営化改革でも、現状維持とあまり変わらない仕組みにされて決着してゆく。


●正しいことを進める気迫・気概を復活させよう
 医療の世界でも、医師が患者のために何ができるのだろうか、現状でいいのだろうか、と疑問を持ってより良い解決に取り組むというよりは、新しい考えは無視したり、つぶそうとする方向になっている。
 とくに、難病であれば何でもステロイドを処方して良しとしてしまうし、ガン治療に新しい考えが出てきてもこれを学んでみようとはしない。みんなと同じことをやっていれば安心で、身に危険を感じても正しい事を進めていくという気迫が無くなってしまっている。
 明治時代の「末は博士か大臣か」という気迫や気概のある生き方を、もう一度復活させる必要がある。
 過度の愛国心や気概や情熱は、過去の日中戦争を生み出したような危険な面も持っているであろうが、過去の経験を教訓にすれば、この危険は避ける事ができるであろう。
 むしろ、事なかれ主義やみんなと同じ事をやっていれば安心、という流れは大きなしっぺ返しとして私たちに襲いかかるであろう。巨額な国債発行額の拡大、耐震強度の偽装、ガン患者数の増大、医療事故の頻発、などはこの一連の流れで起こっていることである。
 日本人全体の未熟さが、これらの破綻の原因となっていると思っている。


【著者略歴】
安保 徹(あぼ とおる)
新潟大学大学院医歯学総合研究科教授・国際感染医学講座、免疫学・医動物学を担当。
 


沖縄県沖縄市
富村カイロプラクティックオフィス
富村政昭

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