日本の青少年を食い物にする早期介入という戦略

『精神科医の犯罪を問う』より転載
日本の青少年を食い物にする早期介入という戦略
日本の精神医学の暴走が始まりました。
最近の精神医学会の動向を見ると、ある一定の方向に向けられていることがわかります。キーワードは「早期介入(早期発見・早期支援)」です。

最近の精神医療業界の提言は、全て「早期介入」の実現を意図したものになっています。

「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」(今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会報告書)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/09/dl/s0924-2a.pdf

5月中に提言を出すとしているこころの健康政策構想会議
http://www.cocoroseisaku.org/

日本精神神経学会ら精神医学四学会による共同宣言
http://jsbp.umin.ac.jp/contents/utsu_taisaku.pdf

そして、このタイミングで出してきたのがこれです。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02880_01
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=81284

これらの動きは、全てオーストラリアの精神科医Patrick D. McGorryや、彼が提唱したプログラムから来ていることがわかるでしょう。早期介入を日本に導入させようとしている精神科医にとって、まるでマクゴーリは「師匠」「神」といった存在であるかのようです。いかにそのプログラムが素晴らしいものなのかを力説していますが、はたしてその取り組みは健全なのでしょうか。それ以前の問題として、科学的根拠はあるのでしょうか。

まずはTIME誌の記事をご覧下さい。翻訳文を貼り付けておきます。翻訳していただいたmyuさんに感謝いたします。
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1205408,00.html

診断よりも薬のほうが先?

定義によれば、実験とは未知なるものへの船出とされる。しかし、メルボルン大学の精神科医パトリック・マクゴーリが1990年代後半に若者に対して行った実験は、数ある実験の中でも極めて大胆不敵なものであった。マクゴーリは、例えば統合失調症のような精神疾患には発病前の段階、つまり前駆症状があり、この間に注意して介入を行えば発病および患者やその家族が崩壊するのを予防できるのではという考えにとりつかれた。こうした理論を唱えたのはマクゴーリだけではなかったが、彼は世界初となる臨床試験に踏み切ることを決め、精神医学に懐疑的な人間を仰天させた。

争点となったのは、マクゴーリの臨床試験に参加した約30名の被験者に対し、運動性疾患をはじめ多くの有害な副作用のある抗精神病薬、つまり神経弛緩薬に分類されるリスペドリンの常用量を、治療の一環として投与したことであった。単に直感だけでこうした危険な薬物を投与したことに憤慨した批評家は、製薬企業との繋がり、そして製薬企業のマーケット拡大の強い意図を疑った。2001年、アメリカのメンタルヘルスのロビイストであるディビッド・オークは、「これは私の知る中でも、人類が若者に対して行った最もキテレツで逆効果を生む実験だ」とTIMEに語った。

この臨床試験は参加者数が少なすぎたため結論には達しなかったものの、マクゴーリに自信を与えるには十分な結果となった。メルボルン大学と連携する公立のメンタルヘルス・クリニックの仲間らとともに、2000年後半、彼は2回目となるさらに大規模な臨床試験を募集、その結果は今でも未分析のままなのだが、一方アメリカでも同様の実験に取りかかる研究者が現れた。こうした実験に対する怒りの声が弱まることはなかったが、マクゴーリには教授会連合の仲間であるエール大学精神科の主任教授、トーマス・マグラシャン(Thomas McGlashan)がいたのだ。しか し、もはやその支えであった柱が消えてしまった。自分の行った臨床試験において、早期薬物療法が実効性のある測定可能なベネフィットを示さなかった結果に落胆したマグラシャンは、最近ニューヨーク・タイムズ紙に対してこのように語っている。「統合失調症の予防の可能性には疑いを抱いている。私はもうこういうことには以前より悲観的だ。何が前駆症状であるのか、何がどうなっているのかを理解し明確に見極めるには、リスクファクターはあるが薬物療法を受けていない若年層をフォローすることの必要性を今まで以上に感じでいる」

一人残されたマクゴーリはどうするのだろうか。 どうやらまったく意欲をそがれた様子もない。マグラシャンの「態度の変化」には、アメリカの精神医学における「倫理的混乱」に関する言及に比べ、予防概念の欠陥に関する言及が少なすぎるとマクゴーリは主張する。引き下がったどころか、彼はこうも言う、「必要なのは、統合失調症に限らず精神疾患の発病に対してすべてのスペクトラムを用いて、若者をケアにつなげるアクセス方法を考えることだ。」

物静かでソフトな語り口ではあるが、マクゴーリには、抗精神病薬を実験的に使うことが唯一信頼性のある方向に向かっているように見せかける術があるようだ。メルボルン大学付属のオリジェン・ユーズ・ヘルス(Orygen Youth Health)の 事務局長の肩書きを持つマクゴーリは、軽度の妄想や社会適応障害の症状を持つとされる15歳から24歳までの患者を受け持つ。「適切な治療法としてフィッシュ・オイル療法や認知行動療法 (CBT) が優先的に行われるべき 療法ではあるが、それらが功を奏さないときに患者が狂気に移行するのを見ているだけというのは受け入れがたい、とは言え誰がそうなるのかを確実に予測することは不可能なのだが。しかし何かすべきだ。」マクゴーリが言うのは、神経弛緩薬による薬物併用治療という考えである。「彼らに友人はいない。ただ寝室に座って、人生が過ぎていくのを見送っている。彼らを救うためには積極的な研究が必要だ。批評家がこの問題に対して声を上げるのは正しい。しかし明らかに障害のある人を、われわれの恣意的なシステムに適合させる術がないことを理由に、軽視することはできない。マグラシャンが行った臨床試験のデザインには欠陥があり、それが否定的な結果につながった理由だ」と彼は言う。

一方マグラシャンはTIMEとのインタビューでマクゴーリを「素晴らしい精神科医であり先駆的な研究者」と呼びながら、ただ熱意の対象が異なるのだと言う。つまりマクゴーリが予防に熱意を持つのに対し、マグラシャンの方は精神疾患を発病するメカニズムにあるというわけだ。「早期介入の丘の上には金が見つかるかもしれない、しかし・・」と、彼は言う、「われわれには十分なデータもなく、また再現性においても十分な知見があるとは言えず、現時点においてはさらなる調査研究を必要とすると言う以外に言えることは何もない」と敗北を認める。

現在いくつかの国では精神病の予防が花盛りであるが、国際早期精神病協会 (International Early Psychosis Association)の会長、マクゴーリは「アメリカにおいては精神病の予防は地響きを上げて完全停止し、アメリカの健康医療活動家もどう考えていいものやら混乱している。彼らはADHDの子供たちに対する過剰投薬の問題で忙しく、この問題がぼやけている」と言う。しかしマクゴーリは以前にもまして意気軒高だ。最近のオーストラリア政府による5400万豪ドルを基金とする若者の心の健康財団(National Youth Mental Health Foundation)をバックに、薬物乱用、人格障害、 双極性障害その他もろもろのあらゆる若者のメンタルヘルスの問題に、早期診断・早期治療の原理を当てはめたがっている。仲間は失ってしまったものの、マクゴーリの航海は全速前進、機雷などクソ喰らえといったところだ。


なぜ日本の精神科医は、ここまで早期介入に執着するのでしょうか?欧米では、抗うつ薬ブームの次に抗精神病薬ブームが来ました。抗うつ薬の虚構が暴かれ、別の戦略が必要となったからです。「心の風邪」で急激に膨れ上がった精神医療産業にとって、心の風邪の虚構が暴かれた以上、新なた市場開拓しか方法がないようです。

マーケティングという観点からすると、若い世代を取り込み、しかも長期に渡って継続的に顧客にするということは戦略上非常に重要となります。早期介入という手段を使えば、精神科医に除外診断をする能力はないので、必要以上に統合失調症とレッテルを貼られる子どもたちが急増するでしょう。抗精神病薬で医原性精神疾患を作ってしまえば、一生薬を飲み続けてくれる安定顧客のできあがりです。

では、早期介入を推し進めようとしている精神科医たちは、どういう意図を持ち、どういう勢力とどういうつながりがあるのでしょうか?これを調べることは非常に興味深いことでしょう。

後日、このマクゴーリという精神科医と、彼の提唱するプログラムの問題点についてさらに切り込んでいきます。

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早期介入、早期投薬!

まー、良い結果が得られるはずありませんな

抗うつ剤等々、薬はただのビタミン剤などとは違うんですよ

投薬の前にやれることは色々とあるはずですが


「うるさいから」子供に抗うつ剤与え続けた夫婦に司法の断罪

書籍紹介 精神科セカンドオピニオン 正しい診断と処方を求めて

抗うつ剤、軽中度の症状に効果みられず 米研究

「うつ百万人」陰に新薬?販売高と患者数比例


沖縄県沖縄市
富村カイロプラクティックオフィス
富村政昭

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